水族館
昔から水族館でアルバイトをしてみたいと思っていました。
ところが、中々求人情報を得ることが出来なくて、諦めかけていたのです。
アルバイトを見つけるのが難しいと、よく友達から聞きました。
なぜなら、時給が一番の問題になると思います。
特に日本に来たばかりの外国人留学生などは、言葉があまりわからないので、面接の時、店長が何を言っているのかが、あまりわからなかったと嘆いていました。
この時点で、まだ接客アルバイトは時期尚早だと悟るようです。
また、時給など高く希望したら、もっと難しくなるのは、国籍は関係なくなります。
日本語があまりわからない外国人にとって、まず仕事を得るのが大切なのでしょう。
時給は、あまり気にしなくてもいい傾向にあるようです。
私が初めてお店でアルバイトをした時、給料なしで、まかないだけいただきました。
それでもありがたいと思いました。
なぜなら、社会勉強のチャンスを頂いたと考えると、当時は、インターンシップがほとんど実施されていなかったご時世なので、飛び上がって喜んだものです。
収入は0円ですか、食事代が浮くということもメリットに感じて、一生懸命に仕事をしましたね。
当時は、まだ物価も高くなる前でしたが、やはり食事代が家計に重く圧し掛かっていたものです。
家賃は仕方ないとはいえ、食べ盛りだったこともあって、食事だけは必要以上の節約をしたくなかったのです。
好きなものは、お腹いっぱい食べたいですからね。
マンボウのこと
水族館は、この世で一番素敵な施設だと思っている。
動物園も、博物館も、美術館も映画館も大好きだけれども、みんな束になってかかってきたって水族館にはかなわない。
言うまでもなく、あくまで個人的な趣味嗜好の話である。
地球の70%以上は海であり、深海に至ってはいまだ2%しか解明されていないという海。
恐竜がいた頃から姿を変えないで今もどこかで生きているのではないかという太古のサメや、海底火山の噴火口で生きる真っ白な蟹など、まだまだ謎に満ちている海。
宇宙と同じくらい未知で神秘的な海の、たった一端にでもふれられる水族館は、いかに人為的であったとしても憧れのスポットなのである。
そんな水族館で見られる海の生き物でダントツ好きなのはサメであるが、同じくらい魅力を感じるのがマンボウである。
「太陽の魚」といわれるような陽気な形をしたマンボウは、何かにぶつからない限り方向転換ができないという話だ(本当だろうか)。
だから水族館のマンボウの部屋には、ガラスの内側にビニールでガードを作っている。
そうしないとガラスにぶつかってケガをするらしい。
そんな不器用ともいえるマンボウに、私は親近感を覚えるのだ。
ドンくさい感じが身近というのもある。
そして、魚とは思えない不可思議な身体をしているところも興味深い。
けれども何より一番の理由は、私の姉の子供の頃のあだ名が「マンボウ」だったこと。
これを姉に言うと、今でもすごく怒る。
確かに自分につけられたあだ名が「マンボウ」はちときつい。
どうしてそんなあだ名がついたのか聞いても、本人は「分からない」と空惚けている。
多分、壁にぶつかるまで気づかないくらいにぼんやりしていたからじゃないの、とぬかす。
でも私は、おそらくマンボウを正面からみたときの顔が、姉の顔に似ていたからではないかと踏んでいる。
マンボウがものに衝突するという性質を持っているからなんて、そんなウィットに富んだあだな付けを子供がするだろうか。
ということで、私はそう勝手に解釈しているのだが、そうなると姉と血が繋がっている私も、おそらくは「マンボウ」となる要素を持っているのだろうと気づく。