オーストラリアで日本商品を売り込む通訳に
良かった事はやはり、長年やっていく中で自分の語学力のスキルも上がることです。
英語はシンプルですが、奥がとても深いです。
そして、二ヶ国語しゃべれるという事は自分のネットワークも広がるという事を実感しました。
長期的に見れば失敗ではないと思いますが、スラングや造語などは机上の勉強だけではなく、
実際に現地の人とコミュニケーションをとらないと理解できないものなので最初は理解に苦しみましたし、今でもスラングは日々勉強です。
また、同時通訳などで必要とされる「聞く」「話す」のタイミング等も研究すればするほど
双方が私の通訳で気持ちよく商談出来ることを知りました。
自分の都合に合わせる通訳より、それぞれの方のペースに合わせた通訳が私の目標なので
臨機応変に通訳のスタイルやペースを変えるようにしています。
まず、翻訳や通訳を仕事に出来る人は「スキルがある人間」だという事。
ここにまずは誇りを持って頂きたいと思います。
その職業に就きたくても、その技術や資格がないと実現しないんです。
そして語学は生き物なので、翻訳する人によってちょっとした感性やイントネーションが違ってくる。
机の上で勉強することもとても大事ですが、やはりその国々の独特の意味合いがあったりするものです。
例えば、「携帯電話」という単語ひとつにしても、アメリカとオーストラリアでは同じ英語でも違うし、
オーストラリアとニュージーランドのアクセントは全然違います。
なるべく経験を積み、ネイティブな翻訳者が本当のプロだと私は思います。
その為には、正しい文法を身につけて下さい。
よく、コミュニケーションが取れるように喋れるだけで良いという方をよく見ますが
ネイティブに文法できない人はいませんので、文法はなるべく完璧を目指して下さい。
通訳や翻訳の仕事
オーストラリアに14年前に移住しました。日本の商品を現地に売り込む為に通訳しています。
アクセントの間違いで恥ずかしい思いをしました。
買い物のとき、服の柄か何かで、私としては「ウサギ」と言いたかったのですが、アクセントを間違えていたらしく、「禿げ頭」と言ってしまい、大笑いされました。
この二単語は発音が全く同じです。
しかし発音は同じでも、アクセントを間違えると全く違う意味になってしまうので、適当に話していてはいけないなと痛感しました。
良かったことは、日本に帰国したとき空港で切符を買おうとしていた外国の方の手助けができたことです。
その方は行きたい駅を紙に書いて駅員に見せます。
駅員はその駅には地下鉄に乗り換えなければ行けないと必死で伝えようとしますが相手は聞き取れず、焦っていました。
私が声をかけ、一つ一つゆっくりお伝えし、切符を一緒に購入しました。
無事にホームにたどり着き、安堵の様子でした。
とても感謝してくださいました。
言語ができたおかげで人の役に立てたので良かったなと思いました。
通訳や翻訳は、顧客双方の利益損失に直接つながるので責任はとても重いです。
クライアントの伝えたい意図や要求を、正確かつスムーズに相手に伝えなければなりません。
ですから事前の打ち合わせと、その分野に関する知識の習得は欠かせません。
また同時通訳の場合は、瞬時に頭の中の言語を切り替える必要があります。
例えば、英語を聞いてそれを日本語に訳しクライアントにお伝えしますが、その後瞬時に言語を切り替え、今度はクライアントが日本語で述べることを英語に訳し話します。
尚且つそこに、訳の正確さとスピードが求められます。
ですから、聞き取ってすぐに訳す、訳したらすぐ次の言語の音声を聞く、という練習を重ねておくことは大切です。
いずれにせよ、言語や国籍を越えた、人々の交流の橋渡しができるという、とてもやりがいのある仕事だと思います。